止まった時計 麻原彰晃の三女・アーチャリーの手記/講談社
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オウム:アーチャリー手記。引き込まれて一気読みしたのでシェア。

衝撃事件から20年

読んでしみじみ実感し派のは、
モノにはすべて、別の一面があるという事


一番印象残ったのは
娘から見た父親像。衝撃事件、
被害者も多かったから、当然だが
ニュースを通しほぼ批判的論調でしか接したことなかった麻原彰晃
娘の目からすると、厳しいところもあったが、基本的には
慈愛にあふれた温厚な父親
母が不安定だったこともあり、穏やかで自分を肯定してくれた父は
著者に唯一の拠り所だったそう。
報道で知る、おどろおどろしい父とはまったく対極で、興味深かった。

”わがままアーチャリー”
その後

著者についても同様。報道で接するのは、
オウム服を着て弟子たちを振り回す
わがままアーチャリー」。
逮捕でくろうしているんだろうなとはぼんやり思っていたけど、
著者がこんな苦労していたことまでは思い至らなかった。

不安定で、途中で自分たちの生育をやめてしまった母の下
愛情感じられないまま育ち、時折帰宅する父が心の支え

幼稚園だけは通うが、小学校以降は学校には通えなかった。
勉強もずるずる遅れていく。

父や側近が次々逮捕された後、保護という名の確保に怯える毎日。

就学や進学、居住差別。なんとか学校には通わず勉強して
高校受験資格得るが、高校は出願自体できず、なんとか通信制高校に入学。
アルバイトはまじめに勤めても、素性がわかったらシフト入らなくなる。

大学も合格はするものの、ことごとく入学拒否。
1年はそのためだけに浪人するが、
2年目は裁判してようやく大学生に。
入学後、やったことなくて憧れていた部活入るのにも一苦労。

「わがままアーチャリー」に
松本麗華という一面がある事に思いが至らなかった。

被告である父も、逮捕後は病んでしまい、
事件の真相はわからないまま裁判は終わった。
が、あの時教団の中にいた娘の目から見ると、
全てを父が首謀しているとはとても思えないと著者。 

凶悪事件であり、被害者もたくさんいたのはまぎれもない事実なのだが。
物事には、知っている場面とは別の一面が常にある。愚かな私だが、
それを見る努力をしていかないといけない。